春の訪れを教えてくれる野草の一つ、それがふきのとうだと思います。
日当たりの良い山の斜面や雪が溶けやすい川の淵などにひょっこり現れます。
そんなふきのとうを収穫したものを今回のBlogではパスタにしてみようと思います!
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ふきのとう = 山菜 = 和食(天ぷら、フキ味噌)
と言う考え方が一般的ですが元料理人として、野草料理研究会員としてはいろんな可能性を追求したいので今回はふきのとうでスパゲッティ アーリ・オーリオ・エ・ペペロンチーノを作りたいと思います!
材料(2人前)
・ふきのとう ゴルフボールサイズ 2個
・スパゲッティ 200~300g
・塩 少々
・山椒(隠し味なのであればOK) 少々
<材料A>
・にんにく 2片
・鷹の爪 1本(辛いの苦手な方は半分以下で)
・エクストラバージンオリーブオイル (日清以外、できれば海外ブランド)
・ベーコン 30g以上あればOK 多くて100gくらい
野草の掃除とアク抜き
野草にはスーパーで売られている野菜と違って土や砂、腐葉土、汚れなどが多くついています。
ボールに水を張り小ゴレをふやかしたりして綺麗に取り除きましょう。
汚れている葉や硬くなっている葉を取り除きます。
今回はふきのとうのテクスチャーと香をより楽しみたいので、ふきのとうの葉はそのままむしりとり、中の花の集合体はざっくり切っておきます。
準備
・ニンニク 粗めのみじん切り。中の新芽を抜く
・鷹の爪 半分に割って中の種を捨てる
・ベーコン 食感を楽しみたい方はとどよく厚めに、香りだ出し切りたい方は薄めに切る
・パスタを茹でる湯を沸かす。塩分濃度は3%(海水よりちょっと薄いくらいでOK)。
調理開始
1_パスタを茹で始めます。
パスタは太さによって茹で時間が変わるので明言はしませんが6分経ったら1本食べてみて硬さをチェックします。
時間をきっちり測らなくてもわかる方法を後に記します。
2_ソース(オイルを作る)
パスタを茹でるのと同時進行でオイルソースを作って行きます。
ベーコン以外の材料Aを熱する前のフライパンに入れ低温でじわじわ加熱します。
オイルはオタマ1杯分くらい。
ゆっくり加熱することで香りや味などがしっかりと油に染み出て移って行きます。
ここで焦ると美味しくないペペロンチーノになってしまいます。
そして材料を焦がさないように気をつけることも忘れずに。
ニンニクの中の芽は焦げやすく焦げた匂いがオイルに移ってしまうと香りが台無しになってしまうので取り除きました。
ベーコンは具材でもありますが今回は調味料として入れています。
オイルが湧いてきたらベーコンをフライパンに投入。
ベーコンを入れることによって香り、風味に奥行きが出るのです。
*豆知識
ベーコンを入れて炒めているとフライパンの底に茶色い焦げみたいなのがついているのがわかります。(テフロンのフライパンだとつきにくいかもしれません。。)
これは焦げではなく「うまみ」の塊です。
ベーコンに限らず肉や魚、玉ねぎなんかをソテーした際によくつきます。フランス料理の用語では”グラス・スック”と言います。
これは放っておくとただの焦げになるのですが熱い状態で水や白ワインを入れることで鍋底から剥がれソースに溶け込み奥行きのある味が加わるのです。
この作業をフランス料理用語で”デ・グラッセ”と言います。
今回もこのデ・グラッセを行います。
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ニンニクがきつね色になり、ベーコンの旨味がフライパンの底に付きいい具合になった頃にパスタ茹でているお湯をオタマ1杯分、オイルの中に投入し鍋をゆすり乳化させます。
「油の中にお湯入れたら弾けて危ないじゃん!」
と思うかもしれませんがぐるんぐるん!と揺すってやると弾ける力が気泡に変わり乳化しやすくなります。
乳化してくれなくてもまだチャンスはあるので大丈夫です。
このタイミングで山椒を少し入れておきます。
僕はスパイスの挽き立ての香りが好きなのでコーヒーミルを使って挽きます。分量は好みですがティースプーン1/3程度(もしくはそれ以下)でいいでしょう。
ここで一旦火を止め蓋をしておきます。
3_パスタの確認
パスタは「芯が少し残っていてもう少し茹でたい」と思うくらいまで茹でます。
箸やトングなどでパスタを掴んでみて、パスタの垂れた両端がくっつかず放物線を描いていたら半茹。
両端がひっついていたらいい感じの茹で具合です。
今回は「ちょうどいい手前」で茹で終わりたいので味見しながら確認します。
ふきのとうの苦味を軽減させたい方はふきのとうの「花の集合体の部分」をパスタと一緒に少し下茹でしておくといいでしょう。
パスタが「ちょうどいい手前」で仕上がったらオイルのフライパンを沸騰させその中に移します。
この中にふきのとうの葉と花の集合体を入れます。
あとは蓋をし中火〜強火で加熱しふきのとうとパスタの両方に火を通します。
なんでこのタイミングでふきのとうを入れたのか、と言うと高温の油でふきのとうを炒めるとふきのとうの香りが弱くなってしまうからです。
蓋をして蒸し茹でることでふきのとうの香りをパスタとソースにまとわりつかせることができるのです。
ふきのとうに火が通りパスタの硬さがちょうど良くなったらカレースプーン2〜4杯分のオリーブオイルを追いオイルし強火に、フライパンをゆすりながら、パスタを中でかき混ぜ、ソースを乳化させます。
あとは必要であれば塩で味を整えさらに盛り付けて完成です。
ふきのとうはオイル系の相性が抜群です。
爽やかな苦味が楽しめること間違いなしです。
今回のレシピはふきのとうを美味しく食べるためのものでもありますが、パスタを作る際の大事な基礎も含まれています。
特にニンニクや鷹の爪の香りをゆっくり熱してオイルに移す行程はほとんどのパスタに応用できます。
今や時短、ズボラ飯、などなどパスタは電子レンジで茹でる時代となっていますが、ちゃんと作ったパスタは思わず笑顔が溢れます。
美味しく春の息吹をいただきました。